特許

黒板が落ちる!?

神奈川県内で平成26年と27年に、上下可動式黒板が落下するという事故が2件発生しました。神奈川県相模原市で平成16年12月、平塚市で平成27年3月に、教室内の上下可動式黒板が壁から外れ脱落、それぞれ児童が1名負傷する事故が発生しました。
文部科学省から、必要に応じて適切な措置を求める事務連絡がありました。

事故事例(PDF)

なぜ、黒板が落ちるようになったのか?

●なぜ、落ちたのか?
●どうしたら落ちないのか?
昭和50年頃までは黒板の落下は考えられませんでした。ではなぜ近年になって黒板の落下事故が起きているのでしょうか。
それは、建物の構造が変わったことに関係していたのです。
建物の構造や黒板の構造が変わり、本来その構造に伴い黒板の設置方法も変わらなくてならないはずが、データに基づいた設置基準を私達黒板屋は明確にしていませんでした。
文部科学省の学校環境衛生基準にも、黒板の安全点検については特に示されてはいません。黒板が“落ちる”という意識が無かったのです。
その結果が落下事故につながったのではないでしょうか。

構造の変化と課題

設置構造図

①(旧来の黒板固定方法)は
昭和50年以前は黒板固定方法で、コンクリートが間仕切り壁でした。壁に黒板枠が埋まっているのが分かりますでしょうか?
コンクリートでつながった壁だったので、何処の部分でも固定出来ました。コンクリートに直接黒板枠を固定し、黒板枠を囲むように木胴縁を組み合板を貼って壁を仕上げていました。黒板が埋まっていたのです。
だから、黒板落下の危険性は非常に低い構造になっていました。

旧来の黒板固定方法
①コンクリート間仕切り壁に黒板枠が固定されている様子

しかし、
②(近年の黒板固定方法)は…

50年代以降は軽量鉄骨に石膏ボードを貼った間仕切り壁が主流を占めてきます。軽量鉄骨はだいたい330㎜ピッチか450㎜ピッチで建て込まれます。
黒板の一番重量が掛かる位置を固定しなくてはいけないのですが、固定しなければならない所に軽量鉄骨が無い時もあり、強度を保つための充分な固定が出来ていない可能性が出てきました。
石膏ボードに固定しても、黒板を支えるには不十分なのです。
どのように固定しなければならないか?は、今までの経験を頼りに設置していて、明確な基準はありませんでした。

近年の黒板固定方法
②軽量鉄骨を建てた様子

安心・安全な施行をするため試験を実施

経験値だけでは無く、
「強度試験等のデータから示される施行基準をつくりたい!」
「安心して黒板を使用できる、安全な施工を行いたい!」
という想いから、青森県産業技術センター 八戸工業研究所と八戸工業大学の協力のもと、振動試験を実施しました。

●使用しているビスは耐えられるのか?
まず、当社で行っている施工時に使用するビス類を検証しました。
青森県産業技術センター 八戸工業研究所にて引張試験を実施
→結果は「耐力度クリア」でした。
地震により、「ビスが切れる」現象が起きていますが、この件については、まだ調べていません。

●現在の黒板施行で地震等の振動にどこまで耐えられるのか?
東北は地震が多いので地震に耐える施工が必要です。
黒板施工における固定方法及び固定位置の検討のため耐震強度を測るため、振動試験を実施しました。
(地震波形は三陸はるか沖地震(1994、M7.5)による)
→試験により補強が必要な箇所が明確になりました。

試験データを基に開発された「縦パネル装置」

試験データを基に、当社オリジナル黒板用取付下地を考案しました。
●黒板を固定したい所に下地が無い
●室内のレイアウトの変更により黒板が移動させたいが安全な強度を維持できる施行が出来ない
などの条件が整わない場合に、黒板の下地を「後」で設置し黒板の落下を防ぐ黒板取付下地を考案しました。

【発明の名称】
 縦パネル装置
〈特許出願中〉

今後も、安心・安全な黒板を設置し、社会に貢献していきます。





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